【医師解説】走るとお腹が痛くなる原因とは?運動誘発性胃腸症候群と対策まとめ|あさひの森内科消化器クリニック|尾張旭市の内科・消化器科

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【医師解説】走るとお腹が痛くなる原因とは?運動誘発性胃腸症候群と対策まとめ

運動中の腹痛
💬

この記事は、「運動中にお腹が痛くなって困る…」という方へ向けて、

よくある不安や疑問を消化器内科専門医がやさしく解説しています。
胃カメラとの違いや、検査後の過ごし方、副作用の心配まで、しっかり&やさしくまとめています。

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運動中にお腹が痛くなる原因や対処法を、Q&A形式で簡潔にまとめました。

  • なんで運動中にお腹が痛くなるの?
    運動中、体は筋肉への血流を最優先させるため、腸管の血流が少なくなったり、動きが鈍くなることが原因とされています。
  • 対策方法はある?
    運動前2時間前には消化の良い食事をトリ、運動前後も常温の水や白湯をこまめにとるのがおすすめ。
この記事の監修者 福田頌子医師

運動誘発性胃腸症候群とは?

運動誘発性胃腸症候群の症状と原因

吐き気・腹痛・下痢・ガス・げっぷなどの胃腸症状は、運動が引き金になることがあります。特にマラソンやサッカーなどの持久力運動を行う方に多く見られ、運動時に交感神経が優位になることで消化管の動きが鈍くなったり、胃腸への血流が減ることが原因とされています。その結果、胃腸が十分に働かなくなり、不快な症状が現れるのです。

なぜ走るとお腹が痛くなるのか?

運動中、体は筋肉への血流を最優先するため、消化器官への血流は一時的に大きく減少します。
その結果、腸の細胞が酸素や栄養不足となり、炎症を起こしたり、腸の動きが乱れたりすることがあります。
こうした変化が、痛みやガス、不快感、さらには下痢などの症状へとつながってしまうのです💦

運動誘発性胃腸症候群と季節の関係

特に夏場は注意が必要です。気温が高いと、運動によって体温がさらに上がり、汗をかいて脱水気味になりやすくなります。
この状態では胃腸の血流がさらに減ってしまい、腸の粘膜がダメージを受けやすくなるのです。
実際に、35℃の環境でのトレッドミル運動では、腸損傷マーカーが通常より300%以上も増加したという研究報告もあります🌞

走ることによる腹痛のメカニズム

身体の反応と神経系の働き

運動を始めると、身体は瞬時に「戦闘モード」に切り替わります。これは交感神経が優位になることで起こる反応です。
交感神経が活性化すると、血圧や心拍数が上がり、筋肉への血流が増えます。
一方で消化器の働きは後回しにされ、胃腸の動きはぐっと抑えられてしまいます。
その結果、食べ物の消化が滞り、腹部の不快感やキリキリとした腹痛につながることがあるのです💦


運動による血流の影響と消化機能の低下

激しい運動では、身体の血流が筋肉や皮膚に集中するため、腸への血液供給が大きく減少します。
ある研究では、腸への血流が通常の最大80%も低下することがあると報告されています!!。
血流が減ることで腸の粘膜細胞はダメージを受けやすくなり、炎症・下痢・出血といったトラブルを引き起こす原因になるのです💦


消化管の萎縮と刺激の関係

食後すぐに走ったり激しく体を動かしたりすると、まだ消化しきれていない食べ物が胃腸にとどまったまま物理的な刺激となってしまいます。
特に揺れや圧迫が加わることで、腸がけいれんを起こしたり、差し込むような腹痛につながることがあるのです⚠️
また、胃腸の血流が減っている状態では、そうした刺激への反応も強く出やすくなります。
食後すぐの運動はできるだけ避け、2時間程度はあけるようにしましょう。

運動誘発性胃腸症候群の対策と治し方

食事と栄養:腹痛を防ぐ食べ物

運動前は、胃腸に負担をかけない消化の良い食事を選ぶことが大切です。
たとえば、おにぎり+ゆで卵や、バナナ+豆乳の組み合わせは、手軽でエネルギー補給にもぴったり😊
一方で、腸に負担をかけやすいFODMAP(発酵性の糖質)が多く含まれる食材は避けるのが安心です。
玉ねぎ、にんにく、小麦粉を使ったパンなどは体質によっては症状を悪化させることもあります。


水分補給と運動前後の食事のポイント

運動中のパフォーマンスや胃腸の状態を守るには、水分補給の仕方もとても大切です。
冷たい飲み物は胃腸に刺激を与えることがあるため、常温の水や白湯をこまめにとるのがおすすめ💧
また、運動の2時間前までに消化に良い軽めの食事を済ませておくと、胃腸も落ち着いて活動できます。


ストレス管理と生活習慣の工夫

胃腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、メンタルの影響を受けやすい臓器です。
ストレスが続くと、腸の動きが乱れたり、痛みに敏感になったりすることもあります😣
そのためにも、十分な睡眠、リラックス時間、深い呼吸などを日常に取り入れることが大切です。
腸をととのえる生活は、心の健康にもつながります😊

子供に見られる運動誘発性胃腸症候群

子供の運動と腹痛の具体的症状

「体育のあとや部活の最中にお腹が痛くなる…」
そんな訴えは、実は珍しくありません。特に中高生の運動部ではよく見られます。
吐き気や腹痛、下痢、ガスがたまる感じなど、大人と同じような症状が出ることもあります。
お子さんの「お腹が痛い」というサインには、どうか耳を傾けてあげてください😊


子供向けの効果的な対策

子どもの胃腸はまだ未熟なこともあり、運動前の食事内容やタイミングがとても大切です。
練習や体育の2時間ほど前までに、消化の良い食事(例:バナナやおにぎりなど)を済ませるようにしましょう🍌🍙
また、冷たい飲み物は腸を刺激しやすいため、常温の水や白湯がおすすめです。


医師が教える運動と健康のバランス

「少しお腹が痛いけど我慢して練習しよう」と無理をしてしまうと、悪化することもあります。
大切なのは無理のないペースで続けること🌿
もし不調が続くようであれば、医療機関に相談してみましょう。
整腸剤や食事指導で改善するケースも多く、我慢しすぎず、安心して運動を楽しめる環境づくりが大切です😊

冬場に注意すべき健康管理のポイント

寒さと消化器官の関係

冬の寒さは体にさまざまな影響を及ぼしますが、実は消化器官も例外ではありません
寒さで血管が収縮しやすくなり、胃腸への血流が減ることで腸のけいれんや胃の違和感が起こりやすくなるのです⛄
特に冷え性の方やお腹が弱い方は、腹巻きや防寒着でお腹まわりを冷やさないよう工夫しましょう。


冬季ランニングの注意点と対策

冬のランニングや屋外運動は、体が冷えている状態から急に動き出すことで、筋肉や胃腸に負担がかかりやすくなります
運動前にはしっかりとストレッチや準備運動を行い、白湯や常温の飲み物で体を内側から温めるのも◎です🌡️
防寒インナーやネックウォーマーなどのグッズも活用し、冷えからお腹を守りましょう。


新型コロナウイルス感染症の影響と防御策

コロナウイルスに感染したあと、「以前よりお腹が弱くなった気がする」という声もよく聞かれます。
感染後は腸内環境が乱れたり、消化器官が敏感になっていることもあるため、無理な運動は避けましょう。
「今日はちょっと休もうかな」と思ったときは、その感覚を大切にしてOKです😊
体調に合わせて運動量を調整していくことが、長く元気に過ごすための秘訣です。

運動誘発性胃腸症候群に対する薬の種類と効果

市販薬の効果と推奨される成分

市販されている整腸剤や乳酸菌製剤は、腸内環境を整えるサポートになります💊
症状が軽い場合は、こういったお薬で楽になる方もいらっしゃいます。
ただし注意が必要なのは、ロキソニンなどの鎮痛剤
これらは胃腸の血流を下げる可能性があり、症状を悪化させることもあるため、自己判断での連用は避けましょう

医療機関での受診の重要性

腹痛や下痢が繰り返し起きる・長引く場合は、「よくあることかな」と思わずに、早めに医療機関へ相談してください🏥
背景にある体質や生活習慣、ストレスの影響まで含めて、丁寧に診断・治療を行うことで、根本からの改善につながります。


薬の服用と生活への影響

お薬を使うことは悪いことではありません😊
体質に合わせて、整腸剤や漢方薬を生活習慣と組み合わせて取り入れることで、症状が軽くなるケースも多くあります。
たとえば、当院では「大建中湯(だいけんちゅうとう)」という漢方薬を、胃腸の冷えや虚弱タイプの方に処方することもあります。
無理せず、心地よい体調を目指して一緒に整えていきましょう🌿

腹痛を和らげるための即効性のある対処法

痛みを緩和するための工夫

運動中やその直後に「お腹が痛いな」と感じたときは、一度立ち止まって深呼吸してみてください🌬️
さらに、お腹をやさしく温める軽く前屈するなどの動作も、腸の緊張をゆるめるのに役立ちます。
一時的なけいれんであれば、これらの方法でスッと症状が落ち着くこともありますよ😊


実践すべき緊急時の対処法

もし腹痛が強い・下痢が止まらないといった症状が出たときは、無理せずすぐに運動を中止しましょう🛑
涼しい場所で座るか横になり、水分を少しずつとりながら身体を休めてください。
「がんばりすぎないこと」も、体をいたわる大切な選択肢です。


運動中のユニークな対策

症状が出やすい方は、ウエストを締めつけない服装を心がけたり、腹巻きで冷えを防いだりすると、グッと楽になることがあります🎽
また、水分を一気にとるのではなく、ちょっとずつ分けて飲むのもコツ。
こうした小さな工夫が、腹痛予防にしっかりつながります😊


便秘が引き起こす腹痛の理由

便秘が続くと、腸に便が溜まりすぎて圧迫されることで、鈍い痛みや不快感が出てきます💦
また、腸内でガスが発生しやすくなり、お腹が張ったりゴロゴロしたりすることも。
こうしたガスや張りも腹痛の原因のひとつなんです。
運動前に便秘があると、痛みが悪化しやすいので注意が必要です。


下痢と運動の関連性

運動をすると「なぜかお腹がゆるくなる」という経験、ありませんか?
とくに激しい運動や長時間のランニングでは、血液が筋肉や皮膚に優先的に送られるため、腸の血流が減ってしまうんです。
これによって腸の粘膜が刺激を受けやすくなったり、酸素が足りなくなったりすることで、下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
また、脱水やミネラルの不足も腸の働きに大きく影響するため、こまめな水分補給も忘れずに行いましょう🌊


食物繊維の重要性と摂取方法

腸の調子を整えるには、水溶性食物繊維を毎日の食事に取り入れることがとても効果的です🥦
たとえば、オートミール・海藻類・納豆・里芋などは、腸内の善玉菌のエサとなり、便の水分バランスや腸の動きをサポートしてくれます。
ただし、一気に食べすぎるとお腹が張ったりすることもあるので、少量ずつ、毎日コツコツとることが大切です😊

運動パフォーマンスへの影響と改善策

筋肉の働きと消化機能

運動を頑張っているのに、なんだか力が出ない…そんな時は胃腸の調子を見直してみましょう。
消化機能が落ちると、食事からのエネルギー吸収もうまくいかなくなり、筋肉への栄養供給が不十分になってしまいます😢
体づくりやパフォーマンス向上のためにも、内臓のケアは大切なコンディショニングのひとつなんです。


運動を続けるための栄養戦略

エネルギーをしっかり使える身体をつくるには、バランスの良い食事が基本です🍽️
特に胃腸が弱い方は、低FODMAP食(腸で発酵しやすい糖質を避ける食事法)を意識すると、症状が和らぐこともあります。
また、体質に合わせた補助食品やサプリメントの活用も有効です。
当院では管理栄養士による食事指導も行っていますので、お気軽にご相談ください😊


トレーニングと健康な体の維持

大切なのは、無理せずコツコツ続けること🌿
「今日は調子がいい」「ちょっと疲れてるかも」――その日その日の体の声をきちんと聞きながら、継続できるペースで運動を取り入れていきましょう。
腸を大切にすることは、運動の質だけでなく、毎日の生活の快適さにもつながります✨


参考文献:
・大建中湯と腸管血流に関する研究(厚生労働科学研究)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/102043/201015048A/201015048A0008.pdf

あさひの森内科消化器クリニック 院長 福田頌子医師の写真

執筆・監修:福田頌子(あさひの森内科消化器クリニック 院長)

  • 消化器病専門医
  • 消化器内視鏡専門医
  • 内科認定医

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