『あさひの森 内科消化器クリニック』院長の福田頌子(しょうこ)です☀️
今回は『肝血管腫(かんけっかんしゅ)』についてのお話です。
健診で腹部エコーの結果で「肝血管腫」と記載されて初めて目にした方も多いのではないでしょうか?
『血管腫って何?』
『え、大丈夫なの?』
『なんか怖い、大きな病院へ行った方がいいの?』
と心配になりますよね(>_<)
血管腫とは、細い血管がたくさん絡み合ってコブのようになってできた良性の腫瘍(しゅよう)です。
「え、腫瘍(しゅよう)?」
ちょっとドキッとしますよね?💘
【腫瘍(しゅよう)=癌】のイメージがある方もみえると思いますが、
【悪性腫瘍(あくせいしゅよう)=癌】なのでご安心ください(^^)
肝臓は身体の中でも特に血管が豊富な臓器なので血管腫が出来やすいのです。
基本的に健康診断なので初めて見つかった場合は、
「精密検査をする」
が正解です。
腹部エコーで「血管腫」だと思っていても、精密検査をしないと癌の可能性を完全には否定できないからです。
では精密検査は一体何をするのでしょうか?
基本的には「ダイナミック造影(ぞうえい)CT」という特殊なCTを行います。
通常のCTとは違い、点滴から「造影剤(ぞうえいざい)」という薬剤を血管へ注入して血流が豊富な肝臓をしっかり検査します。
腹部エコーや造影CT、腫瘍マーカーなどの検査の結果を総合的に判断して「肝血管腫」という診断に至ります。
初めて診断された後は、私は3カ月後など短い期間で再度、腹部エコーなどで経過観察をするようにしています。
(1年後にエコーをする方針の先生もいらっしゃると思います)
なぜ、3カ月にするかというと、「血管腫」の診断が100%ではないからです。
中には、「血管腫」と見た目がそっくりな血管肉腫(けっかんにくしゅ)などの特殊な癌である可能性も捨てきれないからです。
血管腫診断で3か月後にお腹のエコーの予約をした高齢男性の患者さんがいたのですが、予約を忘れてしまっていたのか、お腹のエコー検査に来なかったのです(:_;)
1年後に末期の巨大な肝癌で入院、数日後に肝不全で亡くなりました。
肝血管肉腫(かんけっかんにくしゅ)という病気自体かなり稀な病気なのでほとんどの場合が「肝血管腫」の診断で間違いないことは確かです。
(ですのであまり心配しすぎないでください(>_<))
ただ、3カ月後にもう一度、腹部エコーをして
「あれ、めちゃくちゃ大きくなる!癌かもしれない!」
と分かれば、早い段階で手術などの治療ができたのかもしれません・・・・
(忘れられない経験でした)
少し、怖くなるお話をしてしまいましたが、基本的に「血管腫」であれば良性のものなので治療はせず経過観察でOKです。
ただし
①お腹が張る
②血液の凝固異常(ぎょうこいじょう;血液が固まりにくくなる)が起きてしまった
③どんどん大きくなる
④直径10cm以上で破裂の危険がある
以上の場合は治療の適応になるので、この場合は専門病院へ紹介させていただきます。
皆様の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうごさいました☺
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